最近機能性表示食品をよく見かけるようになったと感じる方も多いのではないでしょうか。物の中身の違いではなく、パッケージにおける表示の仕方の問題ではありますが、それが取り入れられているのはどういったメリットがあるからなのか、またこれから私たちの生活にどう生かしていくことができるのかについて見ていきましょう。
消費者にアピールしやすくなる
近年健康志向が高まってきているため、商品の選び方についてもその点が反映された形が多くなってきています。うまく購入につなげていくためには、体に良いイメージを持ってもらい、選んでもらう必要が出てくるのです。
これまでも成分表示などはありましたが、専門的な知識がないとなかなかわかりにくかったり、体に良いことが伝わりにくいこともありました。そこで、誰にでもわかる形で健康にかかわる内容を表示することができるようにしたのが、機能性表示食品です。
成分などは詳しい知識がないとわからなくても、どのような働きをするのか「機能」の面が記載されていれば、詳しくなくてもどのような良さを持つのかイメージしやすくなります。消費者すべてが健康知識を十分に持っているわけではありませんから、表示を分かりやすくすることで購入してもらうためのアピールにつなげていくのです。
こうしたわかりやすい表示で商品の良さをアピールできる点がまず挙げられる大きなメリットです。
届け出で済む
健康に関する表示ができるのは機能性表示食品だけではありません。特定保健用食品も同様に、どのような機能があるのかを表示して販売することができるものです。従来はこちらを利用されていて、なじみ深いものとなっています。
この二つの大きな違いとして挙げられるのが、国による審査が必要かどうかです。審査を経てからとなると時間もかかることになりますから、次々に新製品が出る中では使いにくい部分もあります。機能性表示食品は届け出を行うことで利用できるものなので、計画通りに生産などをすすめていくことがしやすい点が大きなメリットです。
もちろん内部での根拠の調査研究は必要ですが、審査がない分使いやすいといえるでしょう。
健康に興味を持つきっかけに
食品を購入するときに、なんとなく機能性表示食品が目に入れば、それに消費者が興味を持つことがあります。はっきりと健康上の問題を意識していないとしても、少し体に良いことを始めてみようと思って機能性表示食品を手に取るでしょう。
そこから、ほかの健康的な生活習慣へとつながっていく可能性もあります。はっきりと病気になってから栄養指導などを受けることはありますが、健康な段階ではなかなかそこに興味が向かないこともあります。日常的に目にするところに機能性表示食品があることで、多くの人の健康への意識や取り組みを変えていく可能性があるのです。
機能性表示食品は、基本的に健康な方に向けての表示となります。すでに病気になっている方や、妊娠中など特殊な状況になっている方は別の形で医師などから指示を受けているのでそれに従う必要がありますが、そうでない健康な方の場合には何が良いのか見当もつかないことが多いので、機能性表示で一つの判断材料が与えられれば、そこから興味をもって調べていく可能性もあるでしょう。
その商品だけではなく、食品への意識を変えて、健康の取り組みに広げていける可能性がある点は大きなメリットです。
自分の求める商品を探しやすくなる
機能性表示食品についての情報は、消費者庁のウェブサイトで見ることができます。ポイントは、検索をすることができる点です。例えば求める機能として血糖値に関するものを知りたいのであれば、その旨を入力することでどのような商品があるのかを見ることができます。
食品名を入れることで、その食品の中でどのようなものがあるかを検索することができます。このような形で、自分の求めるものを探していくことができます。新しい食品との出会いも生まれるかもしれません。この点も機能性表示食品の持つメリットといえるでしょう。
詳しい情報が欲しければ入手可能
どの程度の情報が必要かは人によって違います。なんとなくどういった機能があるのか見てみればいい方はパッケージの情報で十分かもしれません。しかし、もっと詳しいことを知りたい、根拠を知りたいと考える方もいるでしょう。
そういった方も消費者庁のウェブサイトを見てみると、機能性表示に関する詳しい情報を見ることができます。これから購入しようとしているものや、今食べているものなどをもっと深く知ることができるのです。健康への意識が高まっている中、売り文句に踊らされずにしっかり判断したい方も増えています。
そういった方も納得できる情報を得やすい点もメリットです。
ニーズに合わせて使ってみよう
機能性表示食品には様々なメリットがあります。何より大きな点は、それぞれのニーズに合わせた使い方ができることです。売る側にとっても、買う側にとっても、求めるものは個別に変わってきます。すべてに対応することは難しいですが、できるだけ選択肢が与えられるような状況を作りたいものです。
義務ではなく届け出による表示になっているため、コスト面などを考えてあえて表示しない場合もあるでしょうし、健康につながることをアピールして売り上げにつなげたい企業もあるでしょう。購入する側にとってもそれぞれニーズが異なってきます。
特に健康に気を遣わなくていい方は表示がなくてもよいですし、何となく体にいいものを選びたいけれど知識がない方は、機能性表示があることで選びやすくなります。詳しい情報を知りたいと考える方はサイトにアクセスして表示を見ることもできるでしょう。
義務でないからこそ使うかどうか、どう生かしていくかは変わってくることになります。押し付けられるのではなく、その時の状況に合わせて自ら選んでいくための一つの目安となってくれる点では、機能性表示食品の存在する意味は大きいといえるでしょう。
機能性表示食品に目を向けて
機能性表示食品は多く出てきていますが、気にしていない方もまだまだ多いでしょう。健康が気になった時、あるいは気になるきっかけとしても生きてくるものですから、どこかで目にした際には表示の部分に軽く目を通してみましょう。
そのうえで必要になると思ったら購入して生活に取り入れていくことで、少しでも健康の維持へとつなげていけるかもしれません。